eCOGRAとは何か?

どのオンラインカジノが信頼できるのかを判断するための要素はいくつもあります。

主なところで言えば、運営実績、ソフトウェア、ライセンス発行元、運営者、サポートの品質、ペイアウト監査などでしょうか。

ただし、プレイする前にこの一つ一つについていちいち調べるのは面倒です。当サイトの格付けランキングのようなものを参考にしてもいいのですが、もっとしっかりとした評価基準がほしいという人も多いでしょう。

そうした場合に役にたつのが、eCOGRA(イーコグラ)のような第三者機関です。

いくつかのカジノが勝手に立ち上げているSafebet.orgのような自作自演の偽評価機関と違い、eCOGRAは独立した団体として実績を上げてきています。

eCOGRAは独自の基準と監査をもとに、各オンラインカジノに「Play It Safe Seal」(安全に遊べる認定マーク)を発行しています。

端的に言えば、eCOGRA認定マークがついていればプレイヤーは安心して遊べるということになるのですが、このeCOGRAについて少し詳しく見てみましょう。

eCOGRAの歴史

eCOGRA(イーコグラ)は、eCommerce and Online Gaming Regulation and Assuranceの略ですが、オンラインゲーミングで安心して遊べるための環境作りを主眼として2003年に設立されたNPOです。

国境を越えたオンラインギャンブル規制機関などがない中で、世界的な監査機関であるPricewaterhouseCoopersの協力のもと、業界を横断するような意味ある基準作りを目指して作られたということです。

プレイヤーにとってeCOGRAとは

eCOGRAの主な使命はプレイヤーを守ることですが、2006年8月現在100を超えるサイトに認定マークを発行し、継続的にそうした運営者を監視しています。

プレイヤーと認定運営者の間で解決できないトラブルが発生した場合には、eCOGRAが間に入り仲裁をしますが、平均して48時間以内に解決されてきているそうです。そうした実績が認められたのか、2005年のGambling Online Magazineの読者投票では、Top Watchdogに選出されました。

オンラインカジノ運営者にとってeCOGRAとは

eCOGRAは、認定の後も各オンラインカジノを継続的にあらゆる側面から監視しています。実際の現場の監査業務には、Ernst & Youngが当たります。(以前はPwC=プライスウォーターハウスクーパースが担当していました)

eCOGRAの認定基準(eGAP)はオンラインカジノ業界の進化に合わせて、より良くより厳しいものに改善されていっているということです。

参考: eGAPの大項目一覧

  • Player Protection
    • 100 Payment to and Receipts from Players
    • 101 Minimum Information Requirements
    • 102 Minimum Security Requirements
    • 103 Responsible Gaming
    • 104 Player and Game Funds
    • 105 Player Information

  • Fair Gaming

    • 106 Software Development and Maintenance
    • 107 Total Gaming Transaction Review
    • 108 Server Connectivity Requirements
    • 109 General Game Characteristics
    • 110 Disaster Recovery
    • 111 System Malfunctions

  • Responsible Conduct

    • 112 Anti-Money Laundering
    • 113 Responsible Advertising and Promotions
    • 114 Probity Checks

TSTのRNGテストさえあればeCOGRAは要らない?

eCOGRAの幹部と話をした際、上のような質問をぶつけてみました。もちろんTSTとeCOGRAではカバーする範囲が全く違いますが、どのように説明してくれるのか興味がありました。

答えは以下のような感じです。

TSTのソースコードテストは、普通、研究所という閉じた環境での一回の試験。たとえばゲームのバグ修正やバージョンアップをした場合、その試験で使われたRNGがずっと実地で使われているという保証はない。多くのランセンス発行団体や政府は既にこのことを問題視し、より効果のある試験方式について検討を進めている。

PricewaterhouseCoopersのRNG検定とペイアウト監査は、TSTの単純なソースコードと比べると、実際のゲームのアウトプットを使っているという意味で、より意義がある。この方式の問題点は、計算と確認に時間がかかりすぎ、万が一問題があった際は、対応が完全に事後になってしまうということ。

eCOGRAが実施しているTGTR(Total Gaming Transaction Review)は、ソフトウェア会社での開発時および運営中のメンテナンス時の現場チェックを主体にしている。この監査に合格できる基準に達していそうなソフトウェアは現状ではほとんどないはず。このプロセスが完了した後、付加的な段階として、PWCがRNGとペイアウトのレビューを行う。

ライセンス元がしっかりしていればeCOGRAは要らない?

厳しい基準で運営ライセンスを発行する国や政府が今後増えていった場合、プレイヤーは「この国のライセンスだから大丈夫」となり、eCOGRAの存在意義は無くなるのでは?という質問もぶつけてみました。答えはこうです。

Alderneyのようにライセンス発行時に相当厳しい基準をもっている国もあるが、問題はライセンス発行後にそうした基準を守らせる実際的な仕組みができていないことと、プレイヤーが直接トラブルの仲裁を頼めるようなシステムもないこと。

さらに、ライセンス発行国のライセンス発行基準や運営規則はプレイヤーを主眼に置いたものではないことが多く、eCOGRAとはかなり異なる。

もうひとつ言えば、eCOGRAは基準(eGAP)を遵守させることにおいて妥協は一切しないが、ライセンス発行者・機関においてはそうした妥協がないとは言い切れない。

監査で不合格になったカジノはどのくらいあるか?

監査に一発合格したオンラインカジノはこれまでひとつもないそうです。

eGAPに基づいた監査の後、PWCは普通100ページ以上に渡る報告書をeCOGRAに提出し、これをeCOGRAの委員が精査するということですが、そこで基準を満たしていない点について各カジノに通告し、不合格点を直した後、再監査になります。

そういう意味では、すべてのカジノが一度は不合格になったということになります。

さらに、合格して認定された後でも、フォローアップレビューというものが行われたり、新たな基準が追加されるたびに監査が行われるということです。

ここまでやっているとすると、認定カジノのウェブサイトの片隅に置いてあるeCOGRAのあの小さなマークにちゃんと意味があることが分かります。

eCOGRAに認定されていなくても優良のカジノはありますが・・・

なお、32レッドカジノラドブロークスカジノのように、一流で信用できるオンラインカジノと言われるところであっても、eCOGRAの認定マークを取得していないところもあります。(32レッドは2008年10月に認定)

外の機関の認定に頼らなくても独自のブランド力でやっていけるという自信なのかもしれません。

この点について、32レッドが認定されていなかった頃にeCOGRAに質問をしてみました。

「32レッドカジノは確かに信用されているカジノで、代表のEd Ware氏は素晴らしい人物だ。ただ、32レッドカジノがあらゆる面で本当に優れているかどうかは、実際に監査してみないと誰にも分からない。自分に言えるのは認定カジノは厳しい基準をクリアしており、それはプレイヤーにとって意味のあることだ。」という回答でした。

eCOGRAはマイクロゲーミングとカジノオンネットの御用機関か?

eCOGRAに対する批判として、eCOGRA認定カジノがマイクロゲーミングとカジノオンネット(とポーカーではPokerRoom.com)に限られていることや、設立時の資金をマイクロゲーミングとカジノオンネットが出したことをもって、「eCOGRAは両社の御用機関であり本質的な意味はないのだ」というものがあります。

これはどうでしょう。

確かにそういう批判もありえるのかもしれません。が、マイクロゲーミングのオンラインカジノの中には認定を受けていないカジノが多くあります。このことだけを見ても、御用機関とは言えないように思います。

プレイテックやクリプトロジックなど、現状ではeCOGRAに認定されていないソフトウェアについても参加を呼びかけているということですが、ソフトウェア認定には1年以上に渡って人員と費用がかかるという手間を嫌うのか、今のところ現状3社(マイクロゲーミング、ランダムロジック、オンゲーム)以外の参加表明はないということです。

プレイヤーとしては、ぜひ他のソフトウェア会社にも認定を受けてほしいところです。

ただ、プレイヤー数や売上げ規模という面でいうと、全世界のオンラインカジノのうちeCOGRA認定カジノが過半を占めているそうです。

経営実践面でも意義あり

eCOGRA認定シールを受けているあるカジノの幹部にeCOGRA監査の様子について訊いたところ、意味なく厳しいというわけではなく、合理的な基準に則って行われるため、経営の近代化やプレイヤーを守る仕組みや情報を整理するシステムの充実などの面で、実際に役立っているという答えが返ってきました。

eCOGRA認定カジノの一覧

こちらのeCOGRAウェブサイトのApproved Siteのページで一覧を見ることができます。なお、当サイトの各オンラインカジノのレビューページでも、eCOGRA認定カジノには認定マークを表示しています。

eCOGRAの限界

eCOGRAは、上記の通り、プレイヤーが安心してオンラインカジノで遊ぶということには貢献しています。

ですが、各カジノが行っているおかしなマーケティング戦術については何のアクションもとりません。たとえば、カジノオンネットまたはその提携会社が行っている、他サイトを無断転載するという著作権無視の広告宣伝について、eCOGRAは目をつぶっています。

eCOGRAがプレイヤーを守るために設立されたことを考えれば、それも仕方ないのかもしれません。

ですが、オンラインカジノの世界でこのような不実なことが横行するのを放置しているというのは、明らかにeCOGRAの限界を示すものです。

eCOGRAの今後の展開

すでにポーカーの分野でも認定サイトが出ていますが、今後も携帯カジノや新しい分野のゲーミングソフト等の登場に応じてeGAP(認定基準と手順)を改善していくということです。

さらに、オンラインゲーミングの運営ライセンスを発行する各国の政府機関などとも協力体制を深めていきつつあります(実際、ライセンス審査基準にeCOGRAのものを採用する国も増えています)。

それと、これは私自身もeCOGRAに依頼したことなのですが、日本に限らず非英語圏のプレイヤーも増えてきているので、eCOGRAウェブサイトの各国語への翻訳、そして仲裁サービス窓口の多言語対応も実現させてほしいと思います。

追加情報

2006年4月、トライデントグループのニュースレターのトライデントトリビューンに、eCOGRAのCEOのとても詳しいインタビュー記事が掲載されました。

背景を理解するのに最適なので、興味がある人はぜひ読んでください。
トライデントトリビューン2006年4月号

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