イギリス政府が指南するネットカジノ選択法

英国のGambling Commission(ギャンブリングコミッション)はギャンブルを管轄する政府機関です。日本語では賭博委員会と訳すようです。
そのギャンブリングコミッションが、このたびWhat to look out for when gambling onlineというレポートを公開しました。「オンラインギャンブルをするときに何に注意すべきか」という意味です。(レポート原文 pdf形式)
日本の人にも参考になることばかりなので、概要を紹介します。

  • 運営者が運営ライセンスを保有しているかどうか確認すること
    正規機関が発行する運営ライセンス無しで営業しているサイトは安全ではない。サイトに「ライセンス取得済み」と書いてあっても、それを鵜呑みにせず、ライセンス発行元のウェブサイトも確認すること。

  • 種別にライセンスが異なることがあるので注意すること
    ひとつのサイトであっても、スポーツブックはイギリスのライセンス、カジノは別の国のライセンスということもあるので、自分が賭ける分野についてどのライセンスか確認すること。

  • 遊ぶ前に連絡先を把握すること
    サイトにきちんと連絡先が書いてあるかどうか確認すること。何かあったときに連絡先も分からないということでは困ることになる。

  • トラブル時の手順を知っておくこと
    運営者ともめて、満足できない結果となった場合に、独立した第三者機関のたすけを求めることができることは重要。そのような情報がサイトに書いてあるかどうかをチェックすること。ギャンブリングコミッション認定のサイトではそうした情報の掲示は必須となっている。

  • 掲示板などで他のプレイヤーのコメントを確認する
    ネット上の専門掲示板などで、遊ぼうとしているサイトに関してのコメントや感想をチェックすること。ただし、掲示板によってはギャンブルサイト運営者から報酬を得ているものもあるので留意すること。

  • 遊ぶ前に条件をきちんと読んで理解すること
    特にボーナスの条件には複雑なものがあるため、入金前にきちんと理解する。

  • プレイヤーのお金が保護されているかどうかの確認
    サイトが破産した場合にプレイヤーのお金が別で管理されて保護されているかどうかは重要。その点を事前に確認すること。

  • 情報管理について確かめること
    個人情報保護方針(Privacy Policy)がしっかりしているかを事前にチェックすること。

  • 賭博中毒対策がなされているかチェックすること
    入金額、プレイ額を自分で制限できるような機能、そしてプレイ履歴を確認する機能がついているかどうかは重要。依存からの脱却やセルフエクスクルード(自己除外)に関する情報が提供されているかどうかもチェック。

  • ゲームのルールが明快に説明されているかどうか
    ゲームのルール、賞金の詳細などをプレイ前に理解していることが重要。

  • ゲームのソフトウェア等が公正であるかどうかチェックすること
    ソフトウェアの公正さを第三者機関が確認していることや、使用しているソフトウェアが不正に変更されないような仕組みができていることをチェックすることが大切。

  • 未成年による登録を防ぐ仕組みがあるか
    生年月日などの確認により、未成年が遊ぶことを防ぐシステムができているか確認することは大切。

これをざっと見ると、最近不払いや支払い遅延、連絡なしの閉鎖などでトラブルを出していたオンラインカジノは複数のポイントで落第していることが明らかです。
逆にオンラインカジノファンで高く評価しているようなサイトはほぼ例外なくこれらの条件を満たしています(「ほぼ」というのは入金額制限の項目に合格しているのが数サイトしかないからですが、これは今後改善されていくでしょう)。
アメリカのような、ただ単に厳しい法律をつくって事実上国民が悪質サイトで被害に遭うのを放置しているというアプローチと比較すると、こうした観点・方法で国民を保護するというイギリスのやり方はとても理にかなっているように感じます。
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