シンガポール ギャンブル事情  イギリスギャンブル委員会と協力関係へ

シンガポールといえば、世界三大がっかり観光の一つマーラインオンでしたが、現在ではすっかり空中プールのマリーナベイサンズでカジノのある国として有名になりました。他にもユニバーサルスタジオを併設するリゾートワールドもあり、2巨大カジノを有しています。

シンガポールのカジノへは現地人が入場する場合、シンガポールドル$100(24時間)か年間2000ドルを払う必要があります。それにも関らず現地人の脚が途絶えることはありません。政府では値上げも検討中だとか・・・。

さてこの2つのカジノを監視するのがシンガポール・カジノ規制庁なのですが、つい先日イギリスのギャンブル委員会と情報交換をはじめとする、協力関係を築くいう合意をしました。イギリスギャンブル委員会は、イギリス国内のランド、オンラインカジノの両方、さらにはロッタリーやビンゴ等もその管轄下においており、規制庁にとっては大先輩。シンガポールが様々な問題に直面するなか、この合意は非常に助けになると思います。

というのも、実はここ1年ほどの間シンガポールではギャンブルに関する様々な問題が発覚しています。

一番有名だったのは、今年2月には世界規模の大掛かりなスポーツベットの八百長事件が発覚し、その首謀者もなんとシンガポール在住。首謀者を逮捕して対応せよ、というインターポールからの要請というプレッシャーが効いたのか、迅速に処理されました。その後も地元での非合法な賭博(おもにスポーツ賭博)に対し(多分今まではほぼ野放し状態だったのでしょう)逮捕者が相次いでいます。

5月にはマリーナベイサンズで1.2ミリオンの詐欺がおこりました。もちろんこちらも犯人は逮捕ずみ。

2013年になって、大掛かりなギャンブルがらみの事件が少なくとも4件は起こっています。

こういった事もあり、今回のイギリスギャンブル委員会との提携は非常に利益あるものになると思われます。先日も政府関係者がカジノに行く場合は、報告をしないといけないという規制が追加されたばかりで、これからもっとギャンブルに関する規制が見直されて行くと思います。

ちなみに5月にはシンガポール政府が”オンラインギャンブルに対し慎重に検討を重ね、調査を続ける”という発表をだしています。これは規制をする、といった前提で発表をしているわけですが、規制して合法化とも違法にするともコメントは出されていません。あくまでも”調査中で検討”ということいらしいのですが、どちらに転ぶのでしょうか?
オンラインギャンブルに対しては日本と同じような感じでグレーエリアとして認識されており、かなりの収益を上げています。イギリスのコンサルタント会社の調査によると、シンガポールのオンラインギャンブルでの収益は2012年でUS342ミリオン、そして2017年までにはUS519ミリオンまでに膨らむだろうと予想しています。

仮に、オンラインギャンブルを完全に違法として扱うとさらに非合法な賭博が増える可能性もあるわけですし、これだけの金額の収益をみすみす見逃すことにもなりますから、一概に禁止するとは思いません。
ちなみにシンガポールのカジノ2つにはスポーツベットはありません。どうやら、公営のロッタリーでサッカーくじが買えるといううわさを聞いたことがあるのですが、それでも結局は対象がサッカーだけなのでみんな地元でできる非合法な賭けを行ってしまうわけです。

年末までには政府が調査結果とコメントを発表するということですので、楽しみに結果を待ちたいと思います。